「以前、話題になった」か、どうかは、知りませんが、
ドラマ化されているので、きっと話題になったのだろうと思って、
タイトルをつけました。
昨夜、これ↓
ama-shinon.hatenablog.com
を書いたあと、すぐに
この「洞窟オジサン」を読み始めました。
全体的な感想
語り口調で書かれているせいか、とても読みやすかったです。
2~3時間で読めました。
洞窟生活が長くて、人とあまり関わってこられなかったと思うのですが、
人に慣れていないということもなく、
むしろ、とても気さくな方だなぁという印象を受けました。
それに、やさしい。
「人として」の大事な部分をしっかり持っておられる。
過酷な環境で育ったにもかかわらず、このようなお人柄なのは、
いったいどういうことなのでしょう。
いわゆる「昔」の人(戦後間もない頃の方)だからでしょうか。
前半の感想
「虐待」や「家出」の辺りを読んでいると、自分の小さい頃がよみがえってきて、しばらく読み進めることができなくなりました。
なぜ、虐待なんか存在するんでしょうかね。
わたしは、家出をしたことは、ありませんが、
家を追い出されたことは何度もあります。
居場所がないって、つらいですよ。
でも、一度、「あの公園で暮らせ」と追い出されたときは、違いました。
その公園のベンチに座っていると、妙に落ち着きました。
「わたしは一人で生きていくのだ」という気持ちになったことを今でも覚えています。
章が終わる毎に写真が出てくるのですが、それを見ると、胸が締め付けられそうになります。
逃げ場のない子どもを暴力で追い詰めることは絶対にしてはならないのです。
中頃の感想
一番印象に残っているのは「自殺未遂」の章です。
丁寧な描写なので、富士の樹海での出来事は、頭の中に映像が浮かび上がってきました。
怖いというよりも、悲しい。
そんな気持ちになりました。
加村さんが自殺未遂に終わり、自分がみじめになる場面は、なんだかつらく切なくなりました。
世の中には、ぎりぎりのところで精一杯生きている人がたくさんいると思います。
自分のことがみじめに思うことほど、切ないことはないなぁと思います。
後半の感想
無知の(無知にならざるを得なかった)加村さんと、社会とのギャップが驚きの連続でした。
読み書きの難しさは、予想できましたが、
色がわからない(「赤のボタンを」と言われてもわからない)ことは、想定外でした。
確かにわからないよなぁ、と。
知らないと困ることって、たくさんあるのだなぁと。
特に、周りが「知ってて当然」と思っていることを知らないのは、苦労が多いと思います。
極端な感想かもしれませんが、「教育って大事だなぁ」と改めて思いました。
またまた全体的な感想
山や川でとれたものを食べて生き抜いてきた加村さん。
人間の体って、すごいなぁと思います。
もしわたしが子どもの頃、家出をしていたら、ここまでできたかなぁと考えましたが、
たぶん、無理です。
いや、絶対に無理だと思います。
あと、「特別付録」として、巻末にサバイバル術がイラストつきで丁寧に載せてありました。
例えば、へびの食べ方などが。
でも、きっとわたしは活用することは、ないでしょう。
こうやって、pepperくんが登場するくらい文明が進化した現代だけれど、
太陽とともに起きて、日が沈むと寝るというような生活。
これが本来の人間らしい生き方なのだろうなぁと、つくづく思いました。
うまく書けませんでしたが、おわり。